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選び方から楽しみ方も紹介
お子さまや家族と天体観測したいけど、天体望遠鏡は種類が多く、機能も専門的なことも多くて
何をポイントに買ったらいいか、わからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、天体望遠鏡の選び方や、おすすめの商品を紹介します。
また、天体観測の楽しみ方についてもお伝えしていますので、
自分にあった望遠鏡を見つけて、天体観測を楽しんでくださいね。
目次
初心者におすすめの天体望遠鏡の選び方
初心者の方が、天体望遠鏡を選ぶときのポイントを解説します。
選ぶポイントは次の7つです
・見やすさ
・持ち運びやすさ
・倍率
・口径
・安定性
・価格
・機能
このあと、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
見やすさ重視：鏡筒で選ぶ
天体望遠鏡の目とも言えるのが鏡筒で、望遠鏡の本体部分を指し、その鏡筒内の光の反射の仕方で空の見えやすさが変わってきます。
鏡筒の方式は大きく分けて「屈折式」と「反射式」の2種類があります。
屈折式
屈折式は、鏡筒の両端に2つのレンズが付いている鏡筒です。先端に対物レンズと呼ばれる大きなレンズが固定されていて、対物レンズを通った光は曲げられ後方に集められます。後端には、接眼レンズと呼ばれる小さめのレンズが付いており、接眼レンズによって、拡大した天体を観測できます。
反射式
反射式は、筒の底に主鏡（凹面鏡）が付いており、主鏡に天体の光を集めて反射させ、開口部の近くにある副鏡（平面鏡）で更に反射させます。副鏡で反射された光は、接眼レンズによって拡大されて、天体を見ることができます。
屈折式と反射式は、天体の光の集め方が異なりますが、倍率に関しては、どちらも接眼レンズによって決まります。接眼レンズを交換して倍率を変えられるため、天体望遠鏡には、レンズの倍率は存在しません。
屈折式と反射式の特徴をまとめると次のようになります。
| 屈折式 | 反射式 | |
| 見やすさ | プリズム効果により視野のまわりに色がついてしまう | 色のにじみがなくシャープにみえる |
| 映像の安定度 | 密閉されゆらぎが少なく安定して見える | 開放されているため気流が乱れやすく不安定 |
| 準備のしやすさ | ほぼ不要。簡単に扱える | 観測前に外気に慣らす必要がある |
| メンテナンス | ほぼ不要 | 定期的に清掃が必要 |
| おすすめユーザー | 初心者向け | 中上級者向け |
屈折式は、すぐに使えてメンテナンスも不要であるため、子供や初心者が扱う場合は、屈折式がおすすめです。
反射式は、屈折式に比べて、天体がきれいに見えるのが特徴ですが、鏡筒の構造上、ほこりや汚れが付きやすいので、定期的に掃除をする必要があります。
また、他にも反射屈折式という、反射式と屈折式を合わせた方式があり、口径の割にコンパクトなのが特徴です。反射屈折式は、カタディオプトリック式とも呼ばれています。
持ち運びやすさ重視：大きさ・重量で選ぶ
大きさや、重量を確認し、持ち運びやすさを確認しましょう。
天体望遠鏡は、例えば夜空がきれいで月や星を見てみようと思った時に、軽量でコンパクトな天体望遠鏡であれば、すぐに準備ができ手軽に天体観測ができますし、旅行先にも持って行けるので、旅先での天体観測を楽しむことができます。逆に、大きく重量のあるものは、きれいに星を観察できる反面、出すのが億劫になり、しまったままになってしまうこともあります。
手軽に天体観測をするなら、保管や持ち運びに不自由しない程度の大きさが理想といえるでしょう。また、保管場所は購入前に確保しておくと良いです。
本格的な観測重視：倍率で選ぶ
本格的な観測を重視するなら、倍率を確認しましょう。
例えば、倍率が100倍ならば、肉眼で観測したときに、1/100の距離まで近づいた場合と同じ大きさで見えることになります。倍率は、見たい惑星や星との距離によって選ぶと良いです。
天体観測で人気の惑星と見え方は次の通りです。
| 天体 | 倍率 | 見え方 |
|---|---|---|
| 月 | 40倍～150倍 | 50倍で月全体が見え、70倍以上で無数のクレーターが見える。 |
| 水星・金星 | 60倍～100倍 | 70倍以上で、満ち欠けや大きさの変化がわかる。 |
| 火星 | 90倍～150倍 | 見える時期や年によって変わるが、大接近の時、70倍以上で、うすい模様が見える。 |
| 土星 | 70倍～150倍 | 100倍程度で、環が見える。 200倍以上で、しま模様や環が詳細に見える。 |
| 銀河 | 20倍～30倍 | アンドロメダ銀河・オリオン大星雲は、20～30倍で観測できる。 |
| 星雲・星団 | 20倍～200倍 | 50倍程度で観測が可能。 200倍以上で、より鮮明に見える。 |
倍率は接眼レンズ（目に近いレンズ）を交換することで変更できます。天体によって変更すると、最適なサイズで観測できたり、見え方が変わったりしますので、更に観測を楽しめますよ。
集光力重視：口径の大きさで選ぶ
暗い星の観測を重視したい場合は、口径の大きさで選ぶと良いでしょう。
口径は、対物レンズ（天体に近い方のレンズ）の直径の数値のことで、大きければ光を集める量も多くなり、明るく観測できます。
望遠鏡の仕組み上、倍率を高くすると、見ている場所が狭くなり、入ってくる光りも少なくなるため、暗くなります。暗い天体を明るく見たい場合は、光をたくさん集められる口径が大きい製品を使う必要があります。
安定性重視：架台で選ぶ
架台とは、天体望遠鏡本体（鏡筒）を支える台のことで、とても重要な部分です。天体望遠鏡は、鏡筒を動かして、見たい天体を探しますが、この時鏡筒を乗せている架台が安定していると操作が楽になり、扱いやすくなります。
架台には、「経緯台」と「赤道儀」の2種類があり、それぞれ特徴は次のようになります。
| 経緯台 | 赤道儀 | |
| 操作の仕方 | 上下・水平の2方向で操作する | 天体の動きと同じ、弧を描くような動きで操作する |
|---|---|---|
| 構造・組み立てやすさ | 構造が簡単なので、組み立てやすい | 構造が複雑で、使いこなすのに慣れが必要 |
| 重量 | 軽いものが多い | 経緯台に比べると重い |
| 準備 | 準備が簡単 | 天体を見るまでの準備が必要 |
| おすすめのユーザー | 初心者向け | 中上級者向け |
赤道儀は天体を追尾しやすい反面、組み立てや操作が難しいため、子供や初心者が使うなら、準備しやすい経緯台がおすすめです。
また、架台の種類に関わらず、ミリ単位の動きができる、微動ハンドルがあると便利です。遠くの天体を観測すると、わずかな動きで位置が変わるため、微動対応の天体望遠鏡を選ぶと天体をしっかり観測できます。
買い求めやすさ重視：コスパで選ぶ
天体望遠鏡は、数千円から高いものは数十万円を超える製品まであります。気軽に天体観測を楽しむのであれば、2万円以内でも十分ですが、少し性能を求めて、しっかり観測を楽しむなら、希望にあった性能のものを選ぶと良いでしょう。
性能重視：最新機能で選ぶ
性能を重視したい場合は、最新機能で選ぶと観測の幅が広がりますよ。
例えば、スマホにアプリをインストールすることで、望遠鏡を覗かずにスマホで星が探せたり、天文の知識がなくてもアプリ操作でナビゲートしてくれたりする望遠鏡もあります。
また、位置情報や時間から、観測に最適な天体を調べてくれる機能がついている望遠鏡もあります。更に、見たい天体をアプリ上でタップするだけで、自動追尾するという最新機能搭載の望遠鏡もあります。
最新機能が使えると、簡単に観測を楽しめるようになるので、天体のことがあまり詳しくない方にもおすすめです。
天体望遠鏡を親子で楽しもう！おすすめの遊び方
続いて、天体望遠鏡を親子で楽しむための、おすすめの遊び方を紹介します。
ただ漠然と星を眺めているだけでもきれいな星を観察できて楽しめますが、少し遊び方を工夫すると、天体の見え方も変わりますし、学びも多く、お子様の天体への興味が増えておすすめです。
天体の写真撮影
1つ目は、天体の写真撮影です。
天体の写真をきれいに撮影するには、普段の写真撮影とは違い、ちょっとしたコツや知識が必要です。
星空は非常に暗いため、写真におさめるには、普段の撮影よりも、シャッターを開いている時間を長くして、光を集める必要があります。天体の明るさや望遠鏡の性能などにもよりますが、数分～数十分、場合によっては数時間シャッターを開けて、星の淡い光をフィルムやデジタルカメラのCCDやCMOSイメージセンサーに当て続けます。
シャッターを開いているときに、どんな撮影の仕方をするかで、星の撮り方を変えることができます。星が円を描く写真を撮影したい場合は、カメラを固定して撮影しましょう。地球の自転の動きで、星が円を描いてくれます。
円でなく、星を点で写したい場合は、星の動きを追いかける必要があります。これには赤道儀の架台を使用するなど星を追尾する機器を使うと上手く撮影できます。
夜空の観察
2つ目の遊び方は、夜空の観察です。
子供と一緒に星空を見上げて、「月」や「星」を見つけたり教えてあげたりしましょう。
星によって、明るさや色の違いがあることに気づいたり、月の満ち欠けに気づいたりして、自然と天体に興味を持ち始めることでしょう。
また、季節や時間帯によって見える星や星座が違うので、星座早見表などで事前に星や星座を確認しておくと、天体望遠鏡で見つけた時に発見した喜びを共感できます。
初心者の天体観測におすすめの望遠鏡を紹介！
最後に、初心者が天体観測をするのにおすすめの天体望遠鏡を紹介します。
初心者でも扱いやすい屈折式と、中上級者向けの反射式を選んでいますので、サイズなども確認して、好みの天体望遠鏡を探してみてくださいね。
ケンコー・トキナー｜KenkoTokina 天体望遠鏡 Sky Walker（スカイウォーカー） SW-0
| 本体重量 | 鏡筒：0.34kg（ファインダー含む）、架台（三脚）：0.55kg |
| 本体サイズ | 鏡筒：80×340mm（ファインダー含む） |
| 対物鏡有効径 | 50mm |
| 焦点距離（口径比） | 360mm（口径比1:7.2） |
| 集光力 | 51倍 |
| ファインダー | 5倍24mm |
| 倍率 | 20mm：18倍/54倍（3倍バーローレンズ併用時） 12.5mm：28.8倍/86.4倍 4mm：90倍/270倍 |
| 三脚仕様 | アルミ製伸縮式三脚 架台（三脚）：400〜1260mm |
| 鏡筒タイプ | 屈折式 |
| 架台タイプ | 経緯台式 |
| 写真撮影対応モデル（要アタッチメント） | 非対応 |
| スマホ対応 | 記載なし |
![サイトロンジャパン｜SIGHTRON マクシー60 [マクストフ式] MAKSY60](/c/topics/article/telescope/recommend/img/2023/product_02.jpg)
サイトロンジャパン｜SIGHTRON マクシー60 [マクストフ式] MAKSY60
| 本体重量 | 鏡筒約0.422kg |
| 本体サイズ | 鏡筒長さ：1950mm |
| 対物鏡有効径 | 60mm |
| 焦点距離（口径比） | 750mm |
| 集光力 | 記載なし |
| ファインダー | なし |
| 倍率 | 37.5倍 |
| 三脚仕様 | 卓上 |
| 鏡筒タイプ | カタディオプトリック式 |
| 架台タイプ | 記載なし |
| 写真撮影対応モデル（要アタッチメント） | 対応 |
| スマホ対応 | スマホ対応 |
ビクセン｜Vixen 天体望遠鏡 スペースアイ 600
| 本体重量 | 0.6kg/総重量：3.3kg（接眼レンズ別） |
| 本体サイズ | 鏡筒：長さ600mm、外径55mm |
| 対物鏡有効径 | 50mm |
| 焦点距離（口径比） | 600mm（F12） |
| 集光力 | 肉眼の51倍 |
| ファインダー | 6倍24mm |
| 倍率 | K20mm：30倍、K6mm：100倍 |
| 三脚仕様 | アルミ製2段伸縮式三脚ワンタッチ式（アクセサリートレイ付）長さ700〜1280mm、高さ（地上高）680〜1250mm、設置半径290〜450mm/2.7kg |
| 鏡筒タイプ | 屈折式 |
| 架台タイプ | 経緯台式 |
| 写真撮影対応モデル（要アタッチメント） | 対応 |
| スマホ対応 | スマホ対応（アダプター別売） |
スカイウォッチャー｜SkyWatcher 天体望遠鏡 スタークエストシリーズ StarQuest P114N
| 本体重量 | 鏡筒質量：約2kg（アイピース除く）、総質量（鏡筒・架台・三脚）：約6kg |
| 本体サイズ | 225×915×355mm |
| 対物鏡有効径 | 114mm |
| 焦点距離（口径比） | 500mm |
| 集光力 | 265倍 |
| ファインダー | レッドドットファインダー |
| 倍率 | 50倍/20倍 |
| 三脚仕様 | アルミ製2段タイプ 長さ：730〜1310mm |
| 鏡筒タイプ | 反射式 |
| 架台タイプ | 赤道儀式 |
| 写真撮影対応モデル（要アタッチメント） | 非対応 |
| スマホ対応 | 記載なし |
セレストロン｜CELESTRON 天体望遠鏡 StarSense Explorer LT 80AZ
| 本体重量 | 総重量：4.17kg |
| 本体サイズ | 鏡筒サイズ：長さ965mm（接眼レンズ取付位置まで）、外径90mm |
| 対物鏡有効径 | 80mm |
| 焦点距離（口径比） | 900mm（F11） |
| 集光力 | 肉眼の131倍 |
| ファインダー | スターポインターファインダー |
| 倍率 | 10mm（90倍）、25mm（36倍）、2倍バローレンズ使用時：10mm（180倍）25mm（72倍） |
| 三脚仕様 | アルミ製2段伸縮式、高さ（マウント最上部まで）：1320mm、アクセサリートレイ付 |
| 鏡筒タイプ | 屈折式 |
| 架台タイプ | 経緯台式 |
| 写真撮影対応モデル（要アタッチメント） | 非対応 |
| スマホ対応 | スマホ対応（アダプター別売） |
スカイウォッチャー｜SkyWatcher 天体望遠鏡 スタークエストシリーズ StarQuest MC102
| 本体重量 | 鏡筒質量：約1.6kg（アイピース除く）、総質量（鏡筒・架台・三脚）：約5.6kg |
| 本体サイズ | 235×850×355mm |
| 対物鏡有効径 | 102mm |
| 焦点距離（口径比） | 1300mm、口径比（1：12.7） |
| 集光力 | 212倍 |
| ファインダー | レッドドットファインダー |
| 倍率 | 130倍/52倍 |
| 三脚仕様 | アルミ製2段タイプ 長さ：730〜1310mm |
| 鏡筒タイプ | カタディオプトリック式 |
| 架台タイプ | 赤道儀式 |
| 写真撮影対応モデル（要アタッチメント） | 非対応 |
| スマホ対応 | 記載なし |
最新機種の紹介
最後に紹介する製品は、見たい天体を自動で捉える「自動フィールド検出機能」や、専門的な知識がなくてもスマホアプリがサポートしてくれるため、初心者でも簡単に天体観測ができます。
ビーラボ｜B-Lab eVscope eQuinox 2
| 本体重量 | 9kg |
| 本体サイズ | 650 x 229mm |
| 対物鏡有効径 | 114mm |
| 焦点距離（口径比） | 450mm |
| 集光力 | 記載なし |
| ファインダー | 記載なし |
| 倍率 | 最大400倍 |
| 三脚仕様 | 寸法 588x 128mm 重量 :2kg |
| 鏡筒タイプ | ニュートン式 |
| 架台タイプ | 経緯台 |
| 写真撮影対応モデル（要アタッチメント） | 対応 |
| スマホ対応 | 対応 |
今回の記事では、天体望遠鏡の選び方について7つのポイントと、天体望遠鏡で星が見える仕組みについて解説し、天体観測の楽しみ方についてお伝えしました。初心者であれば、屈折式の天体望遠鏡や、専門的な知識がなくても、スマホアプリがサポートしてくれる天体望遠鏡を利用してみてはいかがでしょうか。
-
天体望遠鏡の選び方は？
天体望遠鏡を選ぶときのポイントは次の7つです
・安定性
・見やすさ
・持ち運びやすさ
・価格
・倍率
・口径
・機能
詳しくは「▶初心者におすすめの天体望遠鏡の選び方」をご覧ください。 -
天体望遠鏡の楽しみ方は？
天体望遠鏡は天体の写真撮影をしたり、夜空の観察をしたりと親子で楽しむことができます。詳しくは「▶天体望遠鏡を親子で楽しもう！おすすめの遊び方」をご覧ください。
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