冷凍庫が冷えない原因は？対処法や確認ポイントを解説

冷凍庫が冷えない主な原因は、以下の通りです。

▼ドアが完全に閉まっていない
▼ゴムパッキンが壊れている
▼冷気の放出口が塞がっている
▼設定温度が弱になっている
▼霜が付着している
▼コンプレッサー（冷媒を圧縮する部品）が故障している

ここからは、それぞれの原因について解説します。

冷凍庫のドアが完全に閉まっていないと外部に冷気が漏れてしまい、冷凍庫が冷えなくなります。ドアの閉め忘れ以外にも、冷凍庫のドア部分に薄いビニールやフリーザーバッグが挟まっている場合も、冷気が漏れ出る原因になるので注意が必要です。

また、冷凍庫内に食品の入れすぎも良くありません。冷凍庫は適度に食品を詰めた方が冷却効果を高めるのに有効ですが、あふれるぐらいまで詰めてしまうと、ドアが閉まりきらずに外気が入ってしまいます。

スムーズにドアを開閉できる状態を保つためにも、定期的に冷凍庫を整理しましょう。庫内がキレイに整頓されていれば、どこに何が入っているかを把握しやすいというメリットもあります。

ゴムパッキンが壊れていると冷凍庫内の気密性が保てず、庫内が冷えにくくなります。ゴムパッキンは経年劣化しやすい部品なので、剥がれていたり欠けていたりする状態であれば、交換が必要です。

また、食材などの固形物がゴムパッキン部分に付着していることが原因で冷凍庫が密閉されていない場合もあるため、ドア周りのゴムパッキンを確認してみましょう。汚れや異物が付着していた場合は除去し、除菌シートなどを使って汚れを拭き取っておくことが大切です。

食材の詰め込みすぎなどで、冷凍庫の冷気の放出口が塞がっていると、冷気が行きわたらなくなる可能性があります。これにより、端の方に入れている食材が冷えない現象が発生する場合があります。

食材を詰め込む前に、冷気の放出口がどこにあるのかを確認しておくことで防げます。また、庫内のスペースを適切に使うために、食品の置き方を工夫することをおすすめします。

ドアやゴムパッキンに異常がないのに冷凍庫が冷えない場合は、設定温度が適切でない可能性があります。冷凍庫の設定温度が「弱」の場合、ドアの開け閉めの頻度が多いと冷却効果が低下する可能性があります。

特に、夏場のような気温が高くなる時期は、設定温度が「弱」だと冷凍庫が十分に冷えない可能性があるので、冷却の設定を強めて「中」以上にするのがおすすめです。

冷凍庫内に霜が付着すると、冷気の循環が阻害されることがあります。霜は水気のある食品や湯気が出ている食品を冷凍庫に入れると、水分や水蒸気が固まり発生します。

この霜が放出口付近に付着すると、冷凍庫内に冷気が充満しなくなります。

冷凍庫の霜取り作業は、主に以下の2つです。

・お湯でぬらしたタオルで拭き取る
・電源をオフにして溶かす

お湯でぬらしたタオルで拭く方法は、冷凍庫内の霜が少量のときに有効です。大量の霜が付いている場合は、一度冷凍庫の電源をオフにして霜を溶かします。このとき、冷凍庫内にタオルを敷いておき、溶けた霜で内部が濡れないようにしておきましょう。

いずれの方法も、作業の最後には乾いたタオルで水分を拭き取っておくことが重要です。

冷蔵庫には、冷媒を圧縮するコンプレッサーという重要な役割を持つ部品があります。コンプレッサーが故障すると冷凍機能が停止するので、冷凍庫が冷えなくなります。

冷凍庫から異音がする場合はコンプレッサーが正常に作動していない可能性があるため、早急に業者に確認してもらうのがおすすめです。

購入から時間が経過している製品については、修理しても他の故障が続くことも考えられます。その場合は、買い替えた方が結果的にコストを抑えられるかもしれません。

冷凍庫が冷えないときは、電源プラグを抜いて1〜2分程度待ってから再び電源を入れると、冷凍庫が再び冷える場合があります。冷凍庫が直らない場合は修理や買い替えの検討が必要ですが、新しい冷蔵庫・冷凍庫が届くまでは、以下の2点の対策をおすすめします。

▼生モノ・傷みそうな食材から調理する
▼別の冷凍庫やクーラーボックスに移し替える

冷凍庫が壊れてしまった場合、まず生鮮品など傷みそうな食材から取り出して先に調理してしまいましょう。傷みにくい調理済みの冷凍食品などはある程度日持ちするため、生鮮品から優先的に消費するのがおすすめです。

冷凍庫内は、壊れた直後であれば冷気が残っているため、食材をできるだけ傷めないように、使用する順番を工夫しましょう。

一度に消費できない量の冷凍食材がある場合は、別で冷凍庫を準備するか、クーラーボックスを活用しましょう。

クーラーボックスは、氷や保冷剤と一緒に入れて保存することで、一時的に冷凍庫の代用として利用できます。ただし、外気の影響を受けやすく、冷凍庫ほどの冷却力はありません。あくまで冷凍食材の一時的な置き場として活用し、食材は早めに消費するよう心がけましょう。

冷凍庫を用意する場合は、小型冷凍庫やセカンド冷凍庫の設置がおすすめです。小型冷凍庫について詳しくは「▶小型冷凍庫の失敗しない選び方は？項目別におすすめモデルも紹介」、セカンド冷凍庫について詳しくは「▶セカンド冷凍庫の置き場所は？おすすめの場所や注意点を紹介」をご覧ください。

冷凍庫の故障を防ぐ対策方法は、以下の4つです。

▼むやみにドアを開閉しない
▼冷凍室の温度を-15℃以下に保つ
▼室温や内容量によって設定温度を調節する
▼定期的に異常がないか確認して清掃する

知っていれば簡単にできることばかりのため、ぜひ実践してみましょう。

何度も冷凍庫のドアを開閉すると、その度に冷気が外に逃げてしまうため、冷凍庫のコンプレッサーへの負担が増えます。また、霜が発生する原因にもなるため、開閉する回数はなるべく少ない方が望ましいでしょう。

日頃から冷凍庫内を整理しておき、取り出す物を決めてからドアを開けるなどして、開けている時間を短くできるよう心がけましょう。

厚生労働省によると、細菌の多くは-15℃以下であれば増殖が停止します。日頃から温度管理を行い、冷凍庫内を-15℃以下に保つと、より長く食材を保存できるでしょう。

しかし、細菌が完全に死滅するわけではないため、食材は順次使っていく心がけが必要です。

冷凍庫内の内容量が多かったり、室温が高かったりする場合は、設定温度が「弱」だと庫内が冷えずに食材への影響が心配されます。

冷凍庫内の様子を見ながら、設定温度を調節しましょう。設定温度を適切に管理することで、電気代の節約にもつながります。

また、冷蔵室が兼用となっている冷凍庫を利用している場合、室温が低い時は「弱」、室温が高い時は「中～強」に設定し、冷蔵と冷凍の冷気の割合を調整しましょう。

冷凍庫は定期的な掃除が欠かせません。季節の変わり目など決まったタイミングで霜を取り除いたり、ドア部分に付いているゴムパッキンの拭き上げを行ったりしましょう。

また、掃除の際は音にも注意しておく必要があります。冷凍庫の異音に気付くことができれば、コンプレッサーの故障も早期に見つけられる可能性が高いです。

冷蔵庫の冷凍室が壊れた場合は、冷蔵庫の買い替えを検討しましょう。冷凍食品を保管する場所が別途欲しい方のために、ポータブル冷凍庫も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

食材を避難させるために小型冷凍庫をお探しの方は「▶小型冷凍庫の失敗しない選び方は？項目別におすすめモデルも紹介」、セカンド冷凍庫をお探しの方は「▶セカンド冷凍庫の置き場所は？おすすめの場所や注意点を紹介」をご覧ください。

冷凍庫が冷えないと、食材の保存に困ることでしょう。冷凍庫を定期的に手入れすることで庫内の食材を適切に保存できるほか、冷凍庫自体を長持ちさせたり、電気代の節約にもつながります。

日頃から手入れを行っても、経年劣化によって冷凍庫のコンプレッサーが故障してしまうリスクはありますので、その場合には修理や買い替えを検討しなければなりません。

故障を防ぐためのポイントも参考にしながら、冷凍庫と上手にお付き合いしていきましょう。