電池のサイクル数の仕組みと長く使うコツ
数年前に防災やアウトドア用に購入したポータブル電源の調子が
「最近悪くなってきた」と感じている方も多いのではないでしょうか。
フル充電してもすぐに電池が切れる場合は、寿命を迎えているかもしれません。
ポータブル電源を安心して使うには、寿命の判断基準や買い替え時期、
長く使うコツを知っておくことが大切です。
今回は、ポータブル電源の寿命年数や寿命を延ばす方法、
買い替えにおすすめの機種をご紹介します。
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目次
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ポータブル電源の寿命は?【約500~4,000回の充電】
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サイクル数とは:充電と放電の頻度
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リチウムイオン電池の種類とサイクル数
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三元系(サイクル数:500~2,000回)
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リン酸鉄系(サイクル数:1,500~4,000回)
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ポータブル電源の寿命を延ばすコツ
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使用環境の適正温度を15〜30℃に維持する
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直射日光を避けて風通しのよい場所で保管する
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電池残量60〜80%を保つ
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パススルー充電(充電しながら給電)は避ける
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寿命を迎えたポータブル電源は処分や買い替えがおすすめ
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ポータブル電源を選ぶ際のポイント
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使用目的に合った容量(Wh:ワットアワー)を選ぶ
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アウトドアで使う場合は「周波数切り替え」機能の有無をチェック
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仕事で使う場合は「急速充電」や「USBポート付き」がおすすめ
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ライト付きのものは災害・アウトドアに役立つ
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AC出力は「正弦波」を選ぶ
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ポータブル電源おすすめ7選
ポータブル電源の寿命は?【約500~4,000回の充電】
ポータブル電源に使われているリチウムイオン電池の寿命は、サイクル数で約500〜4,000回です。1,000サイクルは、毎日1回フル充電して電池が空になるまで使った場合、長くて3年近く使える計算になるので、1.5~12年ほどがポータブル電源の寿命です。
サイクル数とは:充電と放電の頻度
ポータブル電源のリチウムイオン電池には、充電回数を表す「サイクル数」に上限があります。電池が空っぽの状態からフル充電し、再度0%まで使用した場合を「1サイクル」とカウントします。
| 充電量の変化 | サイクル数 |
| 0%→100%→0% | 1.0サイクル |
| 50%→100%→50% | 0.5サイクル |
リチウムイオン電池の種類によって、寿命となるサイクル数は異なります。製品の寿命を知るには、どのリチウムイオン電池が使われているかを調べる必要があります。
リチウムイオン電池の種類とサイクル数
ポータブル電源に使われているリチウムイオン電池の種類は、主に「三元系」と「リン酸鉄系」の2つです。それぞれの電池の特徴とサイクル数を解説します。
三元系(サイクル数:500~2,000回)
三元系リチウムイオン電池は、軽量でコンパクトです。エネルギーの密度が高いため、軽くても大きなパワーを生み出せます。寿命の目安であるサイクル数は、500〜2,000回です。
三元系リチウムイオン電池のデメリットは、発火の危険性があることと、他のリチウムイオン電池と比べて寿命が短い点です。
発火対策として、ポータブル電源の周りには極力物を置かず、風通しの良い場所で使用することが大切です。三元系のポータブル電源でも寿命が2,000サイクル程度の製品もあるので、スペックを確認して製品を選ぶのがおすすめです。
リン酸鉄系(サイクル数:1,500~4,000回)
リン酸鉄系と呼ばれるリチウムイオン電池は、比較的新型のポータブル電源に使われています。リン酸鉄系は、約1,500〜4,000サイクルに耐えられるので、長期間の使用に向いています。また、熱を蓄積しにくい構造のため、発火の危険性が低いのも特徴です。
デメリットは、本体サイズが大きく重量があることです。そのため、リン酸鉄系のリチウムイオン電池を使用しているポータブル電源は、あまり動かす必要のない場所での使用がおすすめです。
ポータブル電源の寿命を延ばすコツ
ポータブル電源の寿命はサイクル数だけでなく、使い方や使用環境によっても変化します。ポータブル電源の寿命を延ばすためのコツは以下の通りです。
各ポイントを理解することで、長期間ポータブル電源を使用できます。それぞれのコツを見ていきましょう。
使用環境の適正温度を15〜30℃に維持する
ポータブル電源を使用する際の適正温度は、機種によって変動しますが、どの機種もおおよそ15〜30℃程度に設定されています。適正温度を守って使用することで、機器への負荷を減らせます。
適正温度に合わない環境で使用すると、ポータブル電源の寿命を縮める原因になります。製品に表記されている適正温度を確認し、使用環境と適正温度が合うモデルを選ぶことが大切です。
直射日光を避けて風通しのよい場所で保管する
リチウムイオン電池は熱で劣化が進むので、直射日光が当たる場所や熱のこもりやすい車内、風通しの悪い場所を避けて保管しましょう。
窓が結露している場所や湿った物置などでの保管は、リチウムイオン電池の劣化につながります。ポータブル電源を長持ちさせるには、高温多湿の場所に置かないようにしましょう。
電池残量60〜80%を保つ
電池の残量が60〜80%で保存すると、リチウムイオン電池を長持ちさせられます。リチウムイオン電池は性質上、フル充電や0%の状態だと、電池にかかる負荷が高くなります。
また、0%の状態で長時間保存すると、充電できなくなる恐れがあります。リチウムイオン電池は自然に放電されて電池残量が少なくなるので、長時間放置する場合でも、3か月に1回ほどポータブル電源の動作確認を行いましょう。動作確認時に電池残量も確認しておくと、災害時でも安心して使えます。
パススルー充電(充電しながら給電)は避ける
パススルー充電とは、ポータブル電源本体を充電しながら、他の電化製品へ給電する行為のことです。パススルー充電に対応している製品もありますが、負荷の高い使い方になるため、充電しながらの給電はできるだけ控えましょう。
緊急時などやむを得ない場合もありますが、ポータブル電源を長く使うためには、充電と給電のタイミングを分ける工夫が必要です。
寿命を迎えたポータブル電源は処分や買い替えがおすすめ
寿命を迎えたポータブル電源には、以下のような症状が現れるため、処分や買い替えをおすすめします。
・フル充電できなくなる
・充電の減りが早くなる
・充電そのものができなくなる
ポータブル電源の処分方法には、「自治体」と「メーカー」があります。基本的に家電量販店やリサイクルショップでは対応していないため、お住まいの自治体やメーカーの回収方法を確認し、指定された方法に従って処分しましょう。
ポータブル電源を選ぶ際のポイント
ポータブル電源を選ぶ際は以下のポイントを押さえると、製品を選びやすくなります。
▼使用目的に合った容量(Wh:ワットアワー)を選ぶ
▼アウトドアで使う場合は「周波数切り替え」機能の有無をチェック
▼仕事で使う場合は「急速充電」や「USBポート付き」がおすすめ
▼ライト付きのものは災害・アウトドアに役立つ
▼AC出力は「正弦波」を選ぶ
ポータブル電源は製品によってさまざまな特徴があるため、用途に応じた製品選びが求められます。それぞれのポイントについて見ていきましょう。
使用目的に合った容量(Wh:ワットアワー)を選ぶ
ポータブル電源を選ぶ際は、使用目的に合った容量を備えているかどうかを確認しましょう。ポータブル電源の容量はWh(ワットアワー:1時間あたりの消費電力)で示され、どのくらいの時間給電できるかに関わってきます。
例えば、消費電力50Wの電化製品を5時間使う場合には、最低でも250Whの容量が必要です。
もし、日帰りで出かける際やテレワークの際に少し使う程度であれば、300Wh程度あれば十分に対応できます。連泊やアウトドア、災害時など、長時間の使用が想定されるのであれば、600Wh以上の容量のものを選ぶようにしましょう。
アウトドアで使う場合は「周波数切り替え」機能の有無をチェック
アウトドアや旅行の際に使用する場合は、周波数の切り替え機能の有無をチェックしましょう。地域によって電気の周波数は異なり、関東は50Hz、関西は60Hzに対応しています。
東西へ大きく移動される場合は、周波数の切り替え機能や、「ヘルツフリー」といったどちらの周波数にも対応する機能がある製品を選ぶとよいでしょう。
そのほか、ポータブル電源は持ち運びのしやすさから、キャンプにも役立ちます。キャンプ向けのポータブル電源の選び方は「▶キャンプで役立つポータブル電源の選び方!おすすめモデルも紹介」をご覧ください。
仕事で使う場合は「急速充電」や「USBポート付き」がおすすめ
ポータブル電源の用途として、PCやスマートフォンなどの充電を想定している場合は、急速充電機能の有無やUSBポートの数を確認しましょう。
PCの周辺機器の多くは、USBポートからの充電が可能です。USBポートが多く付いていると、在宅勤務などでポータブル電源を使用する際の使い勝手がよくなります。
また、急速充電機能を目当てにポータブル電源を選んだ場合は、ケーブルにも注目しましょう。急速充電が可能なケーブルを使うことで、本来の充電スピードが発揮されます。
ライト付きのものは災害・アウトドアに役立つ
ライト付きのポータブル電源であれば、キャンプや車中泊などの際に明かりを灯せるため非常に便利です。
容量や周波数といった要素と比べるとライトの優先度は低いものの、同スペックの製品であればライト付きのポータブル電源を選ぶのがおすすめです。
AC出力は「正弦波」を選ぶ
ポータブル電源から出力される電力には、正弦波(せいげんは)と矩形波(くけいは)があります。正弦波は一般的な用途に使えるため、特にこだわりがない方へおすすめの波形です。
矩形波は出力される波形が特殊なため、PCなどの精密機器への給電には不向きです。懐中電灯や小さな扇風機など、簡単な作りの家電の使用におすすめです。矩形波の製品は、比較的値段が抑えられているのも特徴です。
ポータブル電源おすすめ7選
ここからは、おすすめのポータブル電源を7つ紹介していきます。使い道に合ったポータブル電源を探すための参考にしてください。
※「USB Power Delivery」は接続すると自動で急速充電が可能になるUSBポートのことです。仕組みについて詳しくは「▶スマホの急速充電するメリット・デメリットはある?利便性や正しい使い方を解説」をご覧ください。
大自工業|DAIJI INDUSTRY SG-1500 ポータブル電源スターター コンパクトタイプ 出力300A
| 本体サイズ(幅×高さ×奥行き) | 約240×190×130mm |
| 重量 | 約3kg |
| 容量 | 7Ah |
| バッテリータイプ | DC12V鉛蓄バッテリー |
| 出力ポート | 12Vソケット |
| 定格出力 | 120W |
| 充電時間 | AC100V充電アダプター:約48時間 |
| 付属品 | AC100V充電アダプター、DC12V充電コード |
新東京物産|The Tokyo Trading ポータブル電源 Taskarl オレンジ/ブラック TPD-J130
| 本体サイズ(幅×高さ×奥行き) | 204×90×161mm |
| 重量 | 1.5kg |
| 容量 | 130Wh(3.6V/36000mAh) |
| 出力ポート | AC×2:修正正弦波 定格100W/Max150W DC×4:DC 9-12.6V/2A USB出力:USB-A×2:5V/2A |
| 定格出力 | 100W |
| 入力ポート | DC:12.6V-24V/2A ソーラー充電:12.6V-24V/2A Max |
| USB Power Delivery | USB Power Delivery非対応 |
| 充電時間 | DC12.6V時:約8時間 |
| ライト | [光源タイプ]3W LEDランプ ハイ/ソフト、1.5W LEDランプ ハイ/ソフト |
| 付属品 | ACアダプター、外付け白色LED電球、取扱説明書 |
オーキー|AUKEY ポータブル電源 PowerStudio 300 ホワイト PS-RE03-WT
| 本体サイズ(幅×高さ×奥行き) | 262×164×156mm |
| 重量 | 3.7kg |
| 容量 | 297Wh |
| バッテリータイプ | リチウムイオン電池 |
| 出力ポート | 【USB】 USB-A×2:5V/2.4A(合計4.8A) USB-A(QC3.0)×2:5V/3A 9V/2A 12V/1.5A USB-C(PD3.0):5V/3A 9V/3A 12V/3A 15V/3A 20V/5A 【DC】DC6530:12V/8A、シガーソケット:12V/10A 【AC】100-120V〜50/60Hz(定格出力300W 瞬間最大出力600W)正弦波出力 |
| 定格出力 | 300W |
| 入力ポート | 13.5-28V/4A(DC5521端子、最大 80W) 5-20V/5A(USB-Cポート、最大100W) |
| USB Power Delivery | USB Power Delivery対応 |
| 充電時間 | 約5時間(15V/4A ACアダプター) 約7時間(カーチャージャー) 約5時間(100Wソーラーパネル - 快晴の場合) 約3時間(100W USB-C PD充電器) 約2.5時間(60W DC入力+100W PD入力の同時充電 合計160W) |
| 動作温度 | 0〜40℃ |
| ライト | [LEDライト]1W(〜100lm) |
| 付属品 | ACアダプター、カーチャージャー、アクセサリーポーチ |
多摩電子工業|Tama Electric ポータブル電源 大容量バッテリー搭載 120W 54600mAh 202Wh 1年保証 TL108OR
| 本体サイズ(幅×高さ×奥行き) | 160×192×215mm |
| 重量 | 2.9kg |
| 容量 | 202Wh 54600mAh |
| バッテリータイプ | リチウムイオン電池 |
| 出力ポート |
AC出力(正弦波):AC100V/1.2A 60Hz 120W MAX USB出力 ・USB-A出力:USB-A×3ポート(5V/2.4A)合計最大7.2A ・USB-C出力:DC5V/3A、DC9V/3A DC出力 ・カーアクセサリーソケット×1(DC12V/10A) ・DC端子外径5.5mm・内径2.1mm×2(DC12V/5A)最大10A |
| 定格出力 | 120W |
| 入力ポート | DC12〜24V/2A MAX |
| 充電時間 | 約8時間 |
| 動作温度 | 0〜45℃ |
| 付属品 | ACアダプター・電源コード・カーアクセサリーソケット用アダプタ |
アビオット|AVIOT ポータブル電源 ネイビー PS-F500-NV
| 本体サイズ(幅×高さ×奥行き) | 297×195×195mm |
| 重量 | 6.3kg |
| 容量 | 512Wh/160000mAh |
| バッテリータイプ | リン酸鉄リチウムイオン電池 |
| 出力ポート | ACコネクタ×3 (パススルー、UPS機能対応)/DC×2/シガーソケット×1/USB C ×2 (PD 27W×1、PD 100W×1)/USB A ×2 (QC 3.0 24W × 2) |
| 定格出力 | 500W |
| 入力ポート | 12-24V DC 120W、100-120V AC 200W |
| 充電時間 | AC使用時:急速充電 最短約2.5h/標準充電 4〜5h/静音充電 6〜8h、シガーソケット使用時:6〜7h(12V) 4.5〜5.5h(24V)、ソーラーパネル100W使用時(PS-SM100) :7〜8h |
| 動作温度 | 0℃〜40℃ |
| 付属品 | AC充電ケーブル、車用シガー充電ケーブル、ユーザーマニュアル |
エコフロー|EcoFlow ポータブル電源 RIVER Pro(リバープロ) EFRIVER600PRO-JP
| 本体サイズ(幅×高さ×奥行き) | 288×185×253mm |
| 重量 | 約7.2kg |
| 容量 | 720Wh |
| バッテリータイプ | 三元系リチウムイオン |
| 出力ポート |
AC出力(x3):600W(サージ1200W)、100V AC(50Hz/60Hz) USB-A出力(x2):各ポート最大12W、5V DC、2.4A USB-A急速充電(x1):最大18W、5V DC、 9V DC、12V DC、2.4A USB-C出力(x1):最大100W、5V DC、9V DC、12V DC、15V DC、20V DC、5A DC5521 出力(x2):各ポート最大13.6V DC、3A |
| 定格出力 | 600W |
| 入力ポート | AC充電入力電力:最大660W(X-Steamテクノロジー) AC充電入力電圧:100-120V AC(50Hz/60Hz)のみ ソーラーパネル入力:200W 10V-25V DC最大12A シガーソケット入力※:12V DC最大8A |
| 充電時間 | 約60分 |
ヨシノ|YOSHINO ポータブル電源 YN-B600-SST
| 本体サイズ(幅×高さ×奥行き) | 296×256×204mm |
| 重量 | 7.7kg |
| 容量 | 602Wh |
| バッテリータイプ | 固体電池 |
| 出力ポート | 9 |
| 定格出力 | 600W |
| USB Power Delivery | USB Power Delivery対応 |
| 充電時間 | 4時間で80% |
| 動作温度 | -10〜60℃ |
| 付属品 | AC to DC充電アダプター、シガーソケット充電ケーブル、DC5521 to シガーソケット出力ケーブル、ソーラー充電ケーブルMC4 to XT60 |
ポータブル電源に使われているリチウムイオン電池の寿命は、充電と放電をいくら繰り返したかで表されるサイクル数によって決まります。リチウムイオン電池の寿命を延ばすためには、使用時と保管時の環境を整えることが大切です。
特に、熱への対策を怠らないようにすると、ポータブル電源を長持ちさせられるため、いざというときにも安心して使用できます。紹介したポイントに絞りながら選ぶことで、失敗しないポータブル電源選びができるでしょう。
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ポータブル電源の寿命の判断方法は?
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ポータブル電源の処分方法は?

