外付けハードディスクの使い方は？初心者向けに注意点・選び方を解説

ハードディスクは、PC（パソコン）などの機器に元から内蔵されており、プログラムデータや画像、ドキュメントなどのデータを保存できます。内蔵ハードディスクには、機器ごとにデータ保存の容量（ストレージ）が定められているので、容量を超えたデータは保存できません。そこで、外付けハードディスクをPCに接続することで、データ保存量を増やせます。

また、外付けハードディスクは容量を増やすだけでなく、データを別の場所に移して保管しておける、データバックアップとしても利用できます。

外付けハードディスクと、内蔵ハードディスクの特徴を比較すると、次のようになります。

内蔵ハードディスクと外付けハードディスクとの違いは、元々PC内部に搭載されているか、後からUSBケーブルで接続して容量を拡張できるかという点です。その他にも、電源供給方法や処理速度などが異なります。

さらに、外付けハードディスクは取り外しが簡単なので、PCを買い替えた際にデータの移動が簡単にできる点もメリットです。

ここからは、初心者向けに外付けハードディスクの使い方を詳しく解説します。

外付けハードディスクは、PCやスマホのデータ容量拡張や、テレビ録画用として使用することが多いです。それぞれの用途について、使用手順と特徴を紹介します。

外付けハードディスクはPCやスマホに接続して、データ容量を拡張する使い方が基本です。PC・スマホともに簡単なデータのファイル移動操作で、データ容量を拡張できます。手順は以下の通りです。

1.外付けハードディスクを容量拡張したい端末に取り付ける

外付けハードディスクの接続端子は、基本的に端末により異なります。各端末の接続端子の種類は、主に以下の表の通りです。

2.フォルダ・ファイルを端末から開き、外付けハードディスクが認識されていることを確認する

PCではファイルを開き、USB接続した外付けハードディスクが認識されているかを確認してください。

スマホは外付けハードディスクを接続後、「ファイル」アプリを起動して接続が認識されているかを確認してください。

3.外付けハードディスクに入れたいデータを移動する

PCの場合は、外付けハードディスクのフォルダ内に、移動させたいデータをドラッグ＆ドロップで移動させることができます。

スマホの場合は、「ファイル」アプリ内で「移動」の項目をタップすることで、画像や動画などのデータを外付けハードディスク内のフォルダに移動できます。

大事な写真を入れているPC・スマホが万が一壊れた場合に備えて、バックアップを残しておけば安心です。

外付けハードディスクはテレビに接続して、録画番組を保存する使い方もできます。外付けハードディスクをテレビに接続することで、録画番組の保存先として外付けハードディスクを指定できます。

テレビでの外付けハードディスクの使用手順は、下記の通りです。

1.外付けハードディスクをテレビに接続する

テレビとはUSBで接続します。USB差し込み口があるか、録画対応テレビか確認しておきましょう。

2.リモコンを操作して、録画番組の保存先を外付けハードディスクに設定する

リモコンで録画設定を行い、録画番組の保存先を外付けハードディスクに設定してください。機種によって設定方法が異なるので、説明書で確認しましょう。

外付けハードディスクは破損や故障した場合、「データを正常に保存できなくなる」「データが消失する」などの不具合が発生する可能性があります。外付けハードディスクを使用する際に気を付けるべきポイントは、以下の通りです。

・衝撃/振動を与えない
・電源がオンの状態で本体を動かさない
・接続中にコードを引き抜かない
・温度差が激しい場所や温度が極端に高い場所に置かない
・磁気を帯びたものを近づけない

データ消失を避けるために、外付けハードディスクは慎重に取り扱ってください。

ここからは、外付けハードディスクの選び方を初心者向けに分かりやすく解説します。外付けハードディスクには、多くのモデルが発売されているため、選び方のポイントを押さえておきましょう。

外付けハードディスクは大きく分けると、「ポータブル型」と「据え置き型」の2種類があります。それぞれの特徴を表にまとめると、以下の通りです。

ポータブル型はACアダプター接続による個別電源が不要で、小型軽量であるため持ち運びがしやすいのが特徴です。

据え置き型は容量が大きく、テレビの録画用など自宅に設置して使用する際におすすめです。

外付けハードディスクを購入する前に、端末との接続に使用するUSB規格の確認が必要です。USB規格は複数あり、新しい規格であるほど、データ通信速度が上がります。データ通信速度が上がれば、素早くデータを移動でき、快適に使用できます。

データ速度は「Mbps」や「Gbps」といった単位で表され、「Gbps」は「Mbps」の1,000倍（1,000Mbps＝1Gbps）です。これは、1秒間に動かせるデータ容量のことで、数字が大きいほど、1秒間に動かせるデータ容量が多いことを意味します。

USB規格の特徴を表にまとめると、以下の通りです。

USB2.0とそれ以降では、転送速度が大きく違います。USB3.0はUSB2.0の10倍の速度が出ます。たとえば、USB2.0では転送に14分かかっていたところを、USB3.0では約70秒で転送できます。

USB3.1 Gen2になると、USB3.0のさらに2倍の速度がでます。USB3.1には、USB3.1 Gen1という規格もありますが、速度はUSB3.0と同じ5Gbpsです。

USBには、差込口の形状規格も多数あります。外付けハードディスクに使用される差込口の形状規格の種類は、以下の通りです。

・USB 2.0/3.0/3.1 Type-A
一般的によく見る長方形の平べったい形状です。コネクター内部の樹脂が、USB2.0だと白色、USB3.0以降は青色なのが特徴です。

・USB 2.0/3.0 Type-B
正方形に近い台形のような形状をしています。

・USB 3.1/3.2/4 USB‐Type-C（TM）
薄い平べったい楕円形をしています。上下の向きがないため、指し込みが簡単なのが特徴です。

・mini USB Type-A
以前のビデオカメラなどに使用されていましたが、近年はほとんど見ることがありません。

・mini USB 2.0 Type-B
デジタルカメラや、ゲーム機のコントローラーに使用されていました。昔の機材を持っている方は、使用しているかもしれません。

・Micro USB Type-A
長方形の薄い形状をしていますが、ほとんど見かけることはありません。

・Micro USB 2.0/3.0 Type-B
薄い台形のような形状です。Androidスマホに使用されていました。

データが壊れないように安心して使用したい方は、「RAID」対応のモデルがおすすめです。RAIDとは、複数のハードディスクにデータを分断して保存し、データ障害が起きた時にデータ復旧を可能にする技術です。

RAIDを使用することで、2つのハードディスクに同じデータを保存できるので、1つのハードディスクが破損しても、もう一方のハードディスクがデータを守ることができます。

RAIDには1～10など複数の方式があり、方式によってデータが守られる強さや速度、保存容量が変わってきます。重要なデータを扱う場合や、データ破損を気にする場合は、RAID対応の記載を確認してください。

「PCとスマホの両方からハードディスクにアクセスしたい」というように、複数端末から同時に接続したい場合は、NAS（ネットワークハードディスク）がおすすめです。NASはハードディスクをUSBではなく、LANに接続して使用する製品です。

自宅に設置しているWi-Fiなど、同じネットワークに接続されている端末であれば、簡単にデータの移動・閲覧ができます。使用する端末を変えるたびに接続を変更する手間がないのは、NASのメリットです。

NASに関して詳しくは、「▶NASの選び方とおすすめモデル【家庭用/法人向け】」の記事をご覧ください。

最後に、初心者におすすめの外付けハードディスク商品を紹介します。ポータブル型と据え置き型に項目を分けて掲載しているので、自宅の環境や用途に合わせ、外付けハードディスク購入の参考にしてください。

ポータブル型は小型軽量であるため、外出時に使用する機会がある方におすすめの製品です。耐衝撃性のあるハードディスクも紹介しています。

据え置き型は、自宅でのみ利用する方におすすめの製品です。TV録画用のハードディスクや、RAIDに対応しているハードディスクもあります。用途をイメージして購入すると良いでしょう。

今回の記事では、外付けハードディスクの用途や使用手順、選び方についてお伝えしました。

外付けハードディスクは「ポータブル型」と「据え置き型」の2種類があります。

使用用途からどちらが適しているかを考え、データ通信速度を決定するUSB規格や、データ耐久性に優れたRAID対応モデルを検討すると、自分に合った外付けハードディスクを選ぶことができるでしょう。