保存期間・書き込み回数・長持ちさせる方法
PC内のデータを移動させるのに便利なUSBメモリですが、あまり寿命については気にされていない方も多いでしょう。
しかし、USBメモリにも寿命はあるので、買い替え時期を知っておくことで、大切なデータを守ることにつながります。
そこで今回は、USBメモリは平均で何年使えるのか、寿命サイン、長持ちさせるための方法を解説します。
最後に買い替えにおすすめのUSBメモリも紹介しているので、ぜひご覧ください。
目次
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USBメモリの寿命は「保存期間」と「書き込み回数」で決まる
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データの保存期間:約3年
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データの書き込み回数:約500〜10万回
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【種類別】USBメモリの寿命の目安
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TLC(トリプルレベルセル):約500〜1,000回
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MLC(マルチレベルセル):約1万回
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SLC(シングルレベルセル):約10万回
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USBメモリの寿命のサイン
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保存データが破損・消失する
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データの長期保存ができなくなる
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データの読み込み・書き込みができなくなる
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USBメモリにアクセスできなくなる
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USBメモリを長持ちさせる方法
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容量の大きいファイルの書き込み回数を節約する
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パソコンに接続したまま他の作業をしない
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取り外し方法を確認して正しい手順で取り外す
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衝撃や振動などを避けて安全な環境で保管する
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ウイルス対策の取れていないパソコンには接続しない
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買い替えにおすすめのUSBメモリ9選
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16GBのおすすめUSBメモリ
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32GBのおすすめUSBメモリ
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128GBのおすすめUSBメモリ
USBメモリの寿命は「保存期間」と「書き込み回数」で決まる
USBメモリの寿命は、「保存期間」と「書き込み回数」で決まります。それぞれ解説していきます。
データの保存期間:約3年
USBメモリの保存期間は、種類や使い方によって異なりますが、一般的に約3年とされています。
HDD(ハード ディスク ドライブ)やSSD(ソリッド ステート ドライブ)に比べると寿命が短いので、保存しているデータの扱いに注意が必要です。長期間放置すると、保存していたデータが消失する可能性が高まります。
USBメモリは長期保存ではなく、短期保存やデータを持ち運ぶことに適したツールであることを理解することが大切です。商品のパッケージには保存期間の目安が記載されているので、保存期間が気になる方は、購入前にパッケージの表記を確認しましょう。
PCの保存領域の拡大に適している、外付けHDDについて詳しくは、「▶外付けHDD(ハードディスク)の寿命は何年?長持ちさせる方法は?」の記事をご覧ください。
データの書き込み回数:約500〜10万回
書き込み回数は製品によって異なり、500回程度から10万回程度と幅があります。一般的にUSBメモリは「NAND型フラッシュメモリ(電源がなくてもデータを保存できるメモリ)」で構成されており、書き込みを行うたびに内部の絶縁体が劣化するため、データの書き込み回数が寿命に大きく影響します。
そのため、製品に記載されている「データ書き込み回数」を確認してみましょう。なお、使用しているパソコンのOSの種類は、USBメモリの寿命と関係ありません。
【種類別】USBメモリの寿命の目安
USBメモリには、大きく分けて次の3種類があります。種類によって、書き込み回数の上限や価格が異なります。
ここからは、それぞれの詳細について解説します。USBメモリを購入する際は、用途にあったものを選択しましょう。
TLC(トリプルレベルセル):約500〜1,000回
USBメモリの種類の中で、最も寿命が短いのがTLC(トリプルレベルセル)で、500〜1,000回ほどの書き込みができます。
市販されているほとんどのUSBメモリはこのタイプで、8つのメモリセル(情報を記憶する最小単位の回路構成)を使用してデータを記録します。データを記録する際に通過する電子の量が多いため、他の2つのタイプに比べると寿命は短めですが、価格が安いのが特徴です。
個人で文書や音楽、画像などを保存するには適していますが、ビジネス用途としては向いていません。
MLC(マルチレベルセル):約1万回
MLC(マルチレベルセル)はTLCよりも寿命が長く、約1万回の書き込みが可能です。
記憶素子に記憶できるデータ量を必要に応じて変えられるため、1つの素子により多くの量を記憶できます。また、MLCのメモリは以下で紹介するSLC型USBメモリの10分の1程度の量ですが、安価なためSLCよりもMLCを採用する企業も少なくありません。
3つのタイプの中でも価格、寿命ともに中間にあたり、ビジネス用としても使用できます。
SLC(シングルレベルセル):約10万回
3種類の中で最も信頼性が高く、寿命が長いのがSLC(シングルレベルセル)で、約10万回の書き込みが可能です。
SLCは、データの書き込みをする際に2つのメモリセルを使います。
重要なデータの取り扱いに適していますが、コストが高く、一般的な小売店では販売されていません。
USBメモリの寿命のサイン
USBメモリは寿命を迎えて壊れる前に、予兆が現れます。ここからは寿命が近いときに現れる症状について解説します。
保存データが破損・消失する
USBメモリの寿命が近づくと、保存データが破損したり消失したりします。具体的には、以下の症状が見られます。
●データの文字化け
●レイアウトの崩壊
●入力データの消失
●画像データの一部読み込み不良
●画像データの乱れ
●音声データの再生不良
破損しているのが一部のデータだけの場合、その他の正常なデータについては救出が可能です。データの一部が破損していた場合は、無理にアクセスしようとせず、保存データを別の記録媒体にバックアップしましょう。
破損しているときや、読み込めないデータを復旧したいときは、データ復旧業者に相談するのがおすすめです。USBメモリは乱雑に使ったり何度も無駄に使用したりすると、保存していたデータが破損することがあります。USBメモリは、この点に注意して丁寧に使用しましょう。
データの長期保存ができなくなる
USBメモリにデータを入れた後、1週間程度でデータが消えた場合、故障が疑われます。この症状があるUSBメモリにデータを入れると、データを移動させるときに破損が見られる場合もあるので、使用を中止することをおすすめします。
大切なデータの保存には、容量が大きいHDDやSSDがおすすめです。詳しくは「▶外付けハードディスクの使い方は?初心者向けに用途や選び方を解説」「▶外付けSSDの使い方は?HDDとの併用方法や注意点もご紹介」の記事をご覧ください。
データの読み込み・書き込みができなくなる
書き込みや読み込みのエラーが頻発する場合も寿命のサインです。下記のとおり、書き込みエラーが先に発生した後、読み込みエラーが生じるケースがよく見られます。
1.書き込みデータを保存できない
2. 書き込みを保存したデータが破損している
3.保存したデータを読み込めない
4.保存したデータが消えている
上記の症状が見られるようになった場合、USBメモリの寿命が近いサインです。現在読み込めるデータも消失するおそれがあるため、速やかにバックアップを取りましょう。
USBメモリにアクセスできなくなる
寿命が尽きると、完全にアクセスできなくなります。普段使っているパソコン以外の端末でも反応しない場合、データの復元はもちろん、新しいデータの保管やデータの抽出は難しいといえます。
基本的には、完全にアクセスできなくなる前に、データの破損や書き込み・読み込みのエラーなどといった予兆が現れます。予兆が発覚した時点で、速やかにバックアップを取りましょう。重要なデータは、日頃から定期的にバックアップを取るのがおすすめです。
また、寿命を迎えていなくても、長期間放置しているとデータが消失する可能性があります。定期的に通電してデータを書き換えると、データを維持しやすくなります。
USBメモリを長持ちさせる方法
USBメモリは、コツを抑えれば長持ちさせられます。ここではUSBメモリを長持ちさせる方法を5つ紹介します。
容量の大きいファイルの書き込み回数を節約する
USBメモリの寿命を延ばすためには、容量の大きいファイルの書き込み回数を減らすことが有効です。USBメモリの寿命は、データの書き込み回数が多いほど短くなるため、書き込み回数を抑えられれば、劣化しにくくなります。
動画や画像ファイルなどの大容量データは、保存した後に編集したり移動したりするのは避けましょう。
パソコンに接続したまま他の作業をしない
USBメモリをパソコンに接続したまま他のソフトを使用すると、熱がたまり内部が高温になることでデータの読み込み不良が発生する恐れがあります。USBメモリの使用が終わったら取り外すようにし、長時間接続し続けないように意識しましょう。
また、ノートパソコンにUSBメモリを接続したまま持ち運ぶと、物にあたった衝撃で破損するケースもあります。USBメモリなどは精密機器で、熱や衝撃には弱いため、慎重に取り扱いましょう。
取り外し方法を確認して正しい手順で取り外す
USBメモリをパソコンから取り外す際は、正しい手順を踏むことが重要です。適当に取り外してしまうと、故障の原因になります。WindowsとMacでUSBメモリの正しい取り外し方は異なるので、以下の手順を参考に自分のOSに適した方法を把握しておきましょう。
〇Windows
1.タスクバーの通知領域に表示されている「ハードウェアを安全に取り外す」のアイコンをクリックする
2.接続中のデバイスの中から、取り外したいUSBメモリを選んでクリックする
「安全に取り出すことができます」のメッセージが表示されたら取り外す
3.タスクバーの通知領域に表示されている「ハードウェアを安全に取り外す」のアイコンをクリックする
〇Mac
USBメモリのアイコンを選択した状態で[Command]キー+[E]キーを押す
※または、デスクトップ上のUSBメモリのアイコンをゴミ箱へ移動させる
衝撃や振動などを避けて安全な環境で保管する
USBメモリは保管の仕方によって、寿命が変わります。保管する際は以下のポイントに気をつけましょう。
●高温多湿になる場所は避け、湿度の低い場所を選ぶ
●衝撃や振動がない安全な場所に保管する
●ホコリや傷が付かないよう接続端子部分にキャップをつける
USBメモリは、湿気や水没、高熱が原因で腐食や破損するおそれがあります。破損したデータを取り戻したい場合は、データ復旧業者に依頼すると修復できるケースもあるため、個人で対応できないときは相談しましょう。
ウイルス対策の取れていないパソコンには接続しない
USBメモリを長く使うためには、ウイルスに感染しないよう取り扱いに注意しましょう。USBメモリがウイルスに感染すると、内部に保存していたデータが消失したり破損したりするおそれがあります。
感染したUSBメモリを別のパソコンに接続すると、ウイルスをさらに広めてしまう可能性もあります。ネットカフェなどの不特定多数の人が使用するパソコンは、ウイルス対策がされているか不明でリスクが高いため、USBメモリを接続しない方が安全です。
買い替えにおすすめのUSBメモリ9選
買い替えにおすすめのUSBメモリを紹介します。商品によって16GB・32GB・128GBと記憶容量が異なるため、用途に合わせて選びましょう。
16GBのおすすめUSBメモリ
バッファロー|BUFFALO RUF3-SP16G-BL USBメモリー
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 23×10.5×53.7mm |
本体重量 | 約10g |
記憶容量 | 16GB |
転送速度 | USB3.1 |
インターフェース | USB TYPE-A |
対応OS | Windows10/8.1/7(32bit/64bit) Mac 10.10以降 |
エレコム|ELECOM USBメモリ ホワイト MF-MSU2B16GWH
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 59×17.5×7.8mm(コネクタ収納時) |
本体重量 | 約9g |
記憶容量 | 16GB |
転送速度 | USB2.0 |
インターフェース | USB Type A |
対応OS | Windows 11/10/8.1/8/7が動作するWindowsパソコン、およびmac OS 10.12 、 Mac OS X 10.10/10.11 が動作するMac |
32GBのおすすめUSBメモリ
エレコム|ELECOM USBメモリ レッド MF-PKU3032GRD
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 57.7×20×10.5mm(コネクタ収納時) |
本体重量 | 約11g |
記憶容量 | 32GB |
転送速度 | USB3.1 |
インターフェース | USB Type A |
対応OS | Windows 11/10/8.1/7が動作するWindowsパソコン、およびmacOS High Sierra (10.13)が動作するMac |
バッファロー|BUFFALOUSBメモリ イエロー RUF3-KSW32G-YE
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 19.8×65×10mm(突起部除く) |
本体重量 | 約11g |
記憶容量 | 32GB |
転送速度 | USB3.1 |
インターフェース | [インターフェース]USB 3.1(Gen1)/3.0/2.0 [端子形状]USB Type-A [端子数]1 |
対応OS | ・Windows 11、Windows 10/8.1/7(64・32ビット) ・macOS 10.15/10.12以降 ・Chrome OS ※添付ソフトウェアは利用できません ※詳細はメーカーホームページをご確認ください。 |
アイ・オー・データ|I-O DATAU3-STD32GR/K USBメモリU3-STDRシリーズ ブラック
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約21×69×8.6mm ※コネクター収納時、スライドスイッチを含む |
本体重量 | 約9.8g |
記憶容量 | 32GB |
転送速度 | USB3.1 |
インターフェース | USB 3.1 Gen 1(USB 3.0)/2.0 |
対応OS | Windows 10 バージョン 1507 〜 October 2018 Update(バージョン 1809) Windows 8.1 Windows 7 macOS 10.11 〜 10.14 |
ソニー|SONY USB3.0メモリ 「ポケットビット」USM32GU グリーン
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約18.8×8.9×58.6mm |
本体重量 | 約9g |
転送速度 | USB3.0 |
記憶容量 | 32GB |
インターフェース | USB Type A |
対応OS | ※自動認識 ※Windows11、Windows10、Windows8.1、OS X 10.11、macOS 10.12-10.15、macOS 11、macOS 12 |
ソニー|SONY USM32GR B USBメモリ ブラック
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約19.8×8.5×55mm |
本体重量 | 約9g |
記憶容量 | 32GB |
転送速度 | USB2.0 |
インターフェース | USB TYPE-A |
対応OS | ※自動認識 Windows11、Windows10、Windows8.1、OS X 10.11、macOS 10.12-10.15、macOS 11、macOS 12 |
128GBのおすすめUSBメモリ
エレコム|ELECOM USBメモリ ブラック MF-PKU3128GBK
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 57.7×20×10.5mm(コネクタ収納時) |
本体重量 | 約11g |
記憶容量 | 128GB |
転送速度 | USB3.1 |
インターフェース | USB Type A |
対応OS | Windows 11/10/8.1/7が動作するWindowsパソコン、およびmacOS High Sierra (10.13)が動作するMac |
エレコム|ELECOM USBメモリ ゴールド MF-DAU3128GGD
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 59×21×8mm |
本体重量 | 約11g |
記憶容量 | 128GB |
転送速度 | USB3.0 |
インターフェース | USB Type A |
対応OS | Windows 11/10/8.1/8/7(SP1含む)/Vista(SP1、SP2)が動作するWindowsパソコン、およびMac OS X 10.8/10.9/10.10/10.11/10.12 が動作するMac |
USBメモリの寿命は、平均3年ほどで、「保存期間」と「書き込み回数」が影響します。データが破損したり、読み込みや書き込みができなくなったりするなどのサインが見られるときは、寿命が近いと考えられます。
寿命を迎えて故障してしまうと最悪の場合データ復旧もできなくなってしまうため、定期的にバックアップを取る、適切な方法で保管するなど、普段からデータの守る対策を講じておきましょう。
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USBメモリを3年以上使用しても良い?
基本的に「データ書き込み回数」の範囲内であれば、3年以上使用しても問題ありません。詳しくは「▶USBメモリの寿命は「保存期間」と「書き込み回数」で決まる」をご覧ください。
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USBメモリにウイルスが感染するとどうなる?
ウイルスに感染した場合、データが破損する可能性があります。別のパソコンに接続して感染を広げないように注意が必要です。詳しくは「▶USBメモリを長持ちさせる方法」をご覧ください。