洗濯機の脱水ができない原因は？症状別に対処方法を解説

洗濯機の脱水ができない主な原因とそれぞれの対処方法は、以下の通りです。

ここからは、それぞれの原因について詳しく解説します。

洗濯物が片寄ると、洗濯機の安全装置が作動して、脱水が途中で止まる場合があります。そもそも洗濯機の脱水は、洗濯物を回転させることで水分を飛ばす仕組みです。脱水のために洗濯槽が回転する際に、衣類の質や量によっては遠心力で洗濯物が片方に寄ってしまいます。

対処方法としては、洗濯物を均一に配置して脱水したり、衣類のからまりをほどいたりして片寄りがなくなるようにしましょう。

縦型の洗濯機に洗濯物を入れすぎると、洗濯物の重みで洗濯槽が上手く回らず、脱水ができないときがあります。

使用している洗濯機の容量を確認して、一度にたくさんの洗濯物を入れないようにしましょう。ドラム式の洗濯機においても、決められた容量を守ることで、洗濯物が片寄りにくくなり正常に脱水できます。

以下の表に記載した洗濯物の重量の目安を参考に、洗濯する量を確認するのがおすすめです。

◆洗濯物の重量の目安

洗濯物の量が適正な容量を超えるようであれば、2回に分けて洗濯しましょう。

排水口や排水ホースは、洗濯物に付いた糸くずやほこり、残った洗剤などが水と流れていく際に詰まりやすい場所です。ここが詰まると排出しきれない水が洗濯槽に残り、洗濯物が濡れたままになります。排水口や排水ホースは、流れが滞らないよう定期的に掃除しましょう。

また、排水ホースがねじれたり潰れたりしていると、排水が上手くできず、脱水が止まる原因になります。ねじれている部分は元の状態に戻し、潰れた部分が元に戻らない場合は、新しい排水ホースの購入も検討しましょう。

糸くずフィルターの汚れを放置すると排水しにくくなり、正常に脱水されないことがあります。カビや雑菌も増えやすくなるうえに、洗濯物がキレイに仕上がらない可能性もあります。

洗濯物の片寄りや排水口・排水ホースに不具合がない場合は、糸くずフィルターが汚れていないかチェックしましょう。

洗濯機のモデルによっては、自動でドアロックをする機能が搭載されています。このモデルの場合、ふたや扉が閉まっていないとロックがかからず、運転が途中で止まってしまいます。

長年使い続けてきた洗濯機では、ふたをロックする爪の部分が振動で折れているケースもあります。この状態ではセンサーが作動しなくなるため、洗濯機の運転が途中で止まり、脱水できません。爪部分が破損しているようであれば、修理や洗濯機の買い替えが必要です。

多くの洗濯機では、傾きを検知すると自動で運転が止まるように設計されています。洗濯機は脱水時の振動によって傾く場合があり、振動音が大きくなると正常に運転できません。洗濯槽と洗濯機の内側がぶつかるため、故障の原因にもなります。

洗濯機に設置されている水準器（洗濯機の傾きが分かるメモリ）の気泡の位置を確認し、傾きがあるときは調節脚の高さを調整しましょう。調節脚は高さを調整できる脚で、多くの洗濯機では本体正面側にあります。

脱水が正常にできなかった場合の対処も大切ですが、予防策も重要です。ここでは毎日の洗濯時にできる、脱水トラブルを防ぐ方法を紹介します。

洗濯ネットに衣類を詰めこみすぎてボール状になると、脱水時に洗濯槽内で片寄りやすくなります。この傾きにより脱水が止まってしまうケースがあるため、洗濯ネットがボール状になるまで詰め込むのは避け、複数の洗濯ネットに小分けにしましょう。

また、洗剤や柔軟剤は適切な分量を使用しましょう。多く入れても洗浄力が上がるわけではありません。洗剤が多すぎると、洗濯物に残ったり排水ホースに汚れとして付着したりします。

自宅の洗濯機の容量を確認し、適切な量の洗濯物を投入しましょう。洗濯機の容量は、以下で確認できます。

・製品の取扱説明書
・本体に付いているラベルやシール
・メーカーのWebサイト

また、次の物は異音や故障の原因となる可能性があるため、洗濯機では洗わないようにしましょう。

・紙おむつ
・座布団
・防水性のシートや衣類
・クッション
・枕
・大型・厚手のマット類
・カーペットカバー

洗濯物を入れる際は、まず洗濯機で洗えるかどうかを確認し、適正な容量を守ることで、脱水の不具合を防ぐことができます。

排水口や糸くずフィルターは定期的な掃除が必要です。排水口は半年に1回程度、糸くずフィルターは最低でも月に1回はキレイにしましょう。糸くずフィルターや排水口のこまめな掃除によって、脱水のトラブルを避けられるほか、カビや雑菌の繁殖を防ぐ効果も見込めます。

2022年に行われた内閣府の調査によると、二人以上の世帯における洗濯機の平均使用年数は、10.8年でした。買い替えの理由の7割以上が「故障」であったことから、洗濯機を購入してから10年ほどが経過したら、買い替えを検討する時期にきているといえます。

なお、メーカーが補修用の部品を最低限保有する期間は定められており、洗濯機の保有期間は、6年とされています。そのため、6年を過ぎてから修理を依頼しても、補修用の部品がそろわずに対応してもらえない可能性があります。

修理が必要なケースでは、長期的に見ると買い替えた方が費用を抑えられる場合も少なくありません。ただし、一般的には購入より1年間はメーカー保証が付いているので、無償で修理できることは覚えておきましょう。

さらに詳しく洗濯機の寿命について詳しく知りたい方は、「▶洗濯機は何年使うと寿命？買い替えのサインや長持ちさせる方法を解説」をご参照ください。

ここでは、買い替えにおすすめの洗濯機を、縦型とドラム式に分けて10台紹介します。ここで紹介する洗濯機を参考に、ご自身の希望に合う製品を探してみてください。

なお、洗濯機の詳しい選び方については、以下の記事をご参照ください。

「▶洗濯機の買い替え時期や選び方がまるわかり！今おすすめの洗濯機12選」
「▶ドラム式洗濯機おすすめ6選！容量や機能別に紹介」
「▶縦型洗濯機のおすすめ6選！ドラム式との違いや選び方も解説」
「▶買ってよかったと思える洗濯機の選び方のポイントは？おすすめの製品も紹介！」

洗濯機で脱水できない主な原因とその対策方法のおさらいは、以下の通りです。

脱水のトラブルを引き起こさないためには、日頃からの対策が大切です。洗濯機に投入する洗濯物の量や洗濯洗剤の量を守り、フィルターや排水口をこまめに掃除することで回避できます。

しかし、経年劣化によって故障の可能性は高まるため、購入から10年ほどが経過しているのであれば、買い替えを検討した方が良いでしょう。今回紹介した製品を参考に、生活環境に適した洗濯機を選びましょう。