テレビの寿命は何年？買い替えサインや長く使うコツを解説

テレビの寿命は、種類によって異なるため一概には言えませんが、内閣府が発表した令和6年3月の実施調査結果（消費動向調査）によると、カラーテレビの平均使用年数は「10.7年」となっています。

また、メーカーが定めている部品保有期間は約8年なので、その期間中であれば基本的に修理が可能です。

一般家庭で最も普及している液晶テレビの平均寿命は「8～10年」と言われています。液晶テレビは、液晶パネルにバックライトを照射して映像を表示する仕組みで、このバックライトの寿命が8～10年（約60,000時間）です。

他にも部品の経年劣化なども影響しますが、使い方によっては20年以上使える場合もあります。

有機ELテレビはパネルの劣化が早いため、平均寿命は「4～10年」と言われています。有機ELテレビにはバックライトは搭載されておらず、パネルを光らせるために、有機化合物に電気を流して鮮明な映像を表示しています。この発光は、有機化合物自体を劣化させるので、使用する度に輝度（きど）が徐々に下がっていきます。

ただ、有機ELテレビが発売された当初に比べて最近のモデルは耐久性が向上しており、寿命が延びつつあります。

寿命が近いテレビに現れる5つの買い替えサインを、具体的な症状とともに解説していきます。

テレビを長年使うと、バックライトや有機化合物などが劣化し、明るさのムラやパネル全体、もしくは一部が暗くなることがあります。これは経年劣化や、供給される電力が弱くなっていることが原因の可能性があります。

また、テレビに線が入って映像が乱れる場合は、パネルの一部が正常に動作していないことや、パネルの劣化が考えられます。これらの症状が続く場合は、買い替えを検討してください。

テレビ本体の電源ボタンを押してもテレビがつかない場合、内部のバックライトや、電源を供給する基板の故障が考えられます。

電源ボタンを押して画面に反応はあるものの、すぐに消えてしまう場合や、そもそも電源が入らない場合、そのままでは使用できないので、修理可能かメーカーに相談しましょう。

映像は流れているのに音声が聞こえない場合、テレビ内部の回路や基板に不具合が起こっている可能性があります。音声関連の不具合は、基板以外にもスピーカーの不具合が考えられます。スピーカーの寿命は10年前後なので、経年劣化の可能性もあります。

なお、音声関連の故障は修理が難しい場合も多いため、注意してください。

テレビから焦げた臭いがする場合、テレビ内部でショート（発火）している可能性があります。異臭がしたら直ちに電源を切り、ケーブルを抜きましょう。そのまま使用を継続すると、火災につながる危険性もあります。

すぐにメーカーサポートに連絡をし、対応方法の確認や点検を依頼してください。

電源コードやプラグは、絶縁されてはいますが、経年劣化によるヒビ割れの発生や、見た目は変わらなくても、内部でケーブルが断線している可能性もあります。

熱がある状態で使用を続けると、火災の原因になる場合があります。コンセントからコードを抜き、メーカーサポートに問い合わせましょう。

ここからは、寿命が来たのかなと勘違いしやすい症状を解説していきます。調子が悪いからといって、すぐに寿命と考えず、一度これから解説することを確認してみてください。

ノイズは、電気信号の乱れや電波の障害によって、映像や音声が乱れる現象です。雨が強く降っているような悪天候や、ケーブルの延長や接続によって、テレビに入ってくる電波のレベルが弱くなり、ノイズが生じている可能性があります。

また、電波信号が弱い状態だと、粗い映像の表示や、ブロック状のノイズが出たり、雑音が混ざったりすることがあります。音割れの原因は、以下が考えられます。

・音量が大きすぎる
・録画機器やテレビ周辺機器を接続する配線に不具合がある
・スピーカー部品が故障している

音量や、配線の不具合であれば使い方を見直し、スピーカー部品の故障であれば、部分を交換修理で改善する可能性があります。特定のチャンネルを見ているときだけ、ノイズが発生している場合は、接触不良の可能性もあります。その場合は、アンテナケーブルの接続を確認しましょう。

リモコンの電池を変えたのに操作の調子が悪いと、「テレビの寿命なのかな」と思うかもしれませんが、リモコン動作が不調になる原因は電池以外にもあります。

例えば、ボタンの隙間にあるほこりで反応が悪くなっている場合や、リモコン内部の基板や信号を発信する部品に不具合が起こっている可能性もあります。

リモコンを交換することで、問題なくテレビを利用できるようになることがあります。まずは、リモコンを買い替えてみることをおすすめします。

テレビの電源が勝手にオフになる場合は、オフタイマー（設定した時間になると自動で電源がオフになる機能）を設定している可能性があります。オフタイマーがオンとなっていないか、設定を確認しましょう。

また、テレビによっては、部屋の照明を消したときにテレビがオフになる設定が搭載されている場合もあります。この場合もオフタイマーと同じく、設定を確認しましょう。

省エネモードを有効にしていると、一定時間でテレビの電源がオフになります。また、周期的に画面が暗くなったり明るくなったりする場合も、省エネモードの設定が有効になっている可能性が考えられます。

これらの症状が見られる場合は、省エネモードの設定を確認しましょう。

映像や音声が途切れる場合は、電波の受信不良が疑われます。雨や雪の影響で電波をうまく受信できず、映像や音が乱れることがあります。

悪天候の日は時間をおいて、天候が回復したときにテレビの状況も改善する可能性があります。

テレビを処分するには、以下の3つの方法があります。

▼販売店での引き取り
▼自治体が指定する方法で処分
▼回収業者に依頼

ここでは、それぞれの処分方法について詳しく紹介します。

また、テレビの引き取りについて詳しくは「▶古いテレビの引き取りは簡単？正しい処分方法や費用を紹介」をご覧ください。

テレビを処分するには、家電量販店でテレビを買い替える際に、テレビを引き取ってもらう方法があります。新しいテレビの搬入時に引き取ってもらえるため、自分で持ち込む手間を省けるのがメリットです。

処分だけの依頼が可能な場合もあります。テレビを処分する際は、対応してもらえるかどうか事前に確認しましょう。

自治体が公表する処分方法を確認するのも有効な手段です。一般財団法人家電製品協会が提供する「全国自治体家電リサイクル関連ページ検索」であれば、各自治体の処分方法を簡単に検索・確認できます。自治体での処分を検討する場合は利用してみましょう。

市町村から「一般廃棄物処理業」の許可を受けた回収業者に依頼する方法もあります。処分にはリサイクル料金やサービス料金が発生しますが、販売店での引き取りと同様にテレビを運び出す手間がかかりません。

ただし利用する際には、無許可の不用品回収業者がいることに注意が必要です。回収してもらったテレビが不法投棄され、のちにトラブルに巻き込まれる可能性もあります。許可を受けている業者かどうかは、利用する前に確認しましょう。

テレビを長く使うために、日常の使い方を少し工夫すると、寿命を延ばすことが可能です。日常の使い方のポイントを3つ紹介します。

1つ目のポイントは、ほこりをためないように定期的に掃除することです。ほこりがたまると、熱がこもり、部品の故障につながる可能性がありますし、最悪の場合、ほこりやショートが原因で、火災が発生することもあります。

テレビ本体だけでなく、テレビ周辺も、ほこりがたまらないように定期的に掃除しましょう。定期的に掃除をすれば、スムーズな放熱ができるようになり、寿命を延ばすことにつながります。

2つ目のポイントは、設置場所に気を付け、直射日光があたる窓付近や、転倒しやすくなる不安定な場所を避けてテレビを設置することです。テレビは高温や、水分・湿気に弱いため、直射日光を受ける場所や、寒暖差が大きくなり結露が発生しやすくなる窓付近に置くことは避けてください。

また、窓際に置いていると、窓を開けているときに不意に雨が降り、テレビが濡れてしまう恐れもあります。他にも、段差がある場所や、斜めになっている不安定な場所に設置すると、地震の揺れや、少しぶつかっただけで倒れてしまう可能性が高いです。液晶テレビはパネルも薄く、比較的破損しやすいため、転倒しない場所に設置するようにしてください。

3つ目のポイントは、長時間の使用を避けることです。リビングに設置されているテレビは、どうしても使用時間が長くなりがちですが、外出時や就寝時など見ていないときにはできるだけ電源を切りましょう。

基本的に電化製品は、使えば使うほど劣化するので、テレビも例外ではありません。使用していない時間には意識的に消すだけでも、テレビの寿命は変わってきます。また、適切に電源をオフにすることは、電気代節約や環境にも良いのでおすすめです。

ここでは、買い替えにおすすめのテレビを9つ紹介します。一般的なテレビを求めるのであれば「液晶テレビ」が候補になります。より高画質を求めるとなると「有機ELテレビ」も選択肢となるでしょう。お気に入りのテレビを探してみてください。

テレビについては以下の記事でさらに詳しく解説しています。興味のある方はぜひご参照ください。

「▶テレビサイズ一覧表！V型・インチ（型）の見方や視聴距離」
「▶おすすめの液晶テレビ12選！サイズ別に紹介」
「▶テテレビを買い替える前に知っておきたい6つの選び方とおすすめテレビをご紹介」

テレビの寿命は10年程度とされています。購入から一定年数が経過し、買い替えのサインが見られた際には、故障と勘違いしやすい症状を確認したうえで、買い替えを検討しましょう。

買い替えの際は、処分方法も検討する必要があります。テレビを適切に処分し、新しいテレビを迎え入れましょう。